“Web to Print”はなぜ普及しないか

湯:そもそも”Web to Print”という定義がものすごくあやふやで。
”印刷通販”と”Web to Prit”を同義語だと思われてる方も多い。
宮:“Web to Print”の中に”印刷通販”があるんでいいんじゃない?
湯:えええっ?だって、印刷通販の中には「入金は振込で」「入稿は外部ストレージかメール添付で」という、「何のシステムも持たないけどとにかく遠隔の仕事もやりますよ。」というサイトもあるんですよ。
宮:いいじゃない。入口のところでWebを使ってるんだからそれもWeb to Print で。
湯:寛大だ・・・。じゃあ、そういうことで。
とはいえ、通常Web to Printというと、データアップロード(ファイル伝送)、サーバー組版、データベースパブリッシング等の機能を兼ね備えたシステムのことを言いますよね。Insiteとか、EFI digital storefrontとか、iWayとか。
そういういわゆる、Web to Printソフトはなぜ普及しないんでしょうか?
私は通常業務で使ってるのは★オフレコ★なんですが、とにかく余計な機能が多くてナビゲーションがなってない。それに、重い!最初、一度ログインしたらもう二度とログインしたくないって思いました。
山:ああ、あのシステムはね、在庫管理が主目的だったりするので、とても重いです。 ★オフレコ★とかはもう少し軽いけど・・・でもサクサク感とは程遠い。
宮:うーん。使い勝手の問題もあるけど、僕は印刷会社側が明確なビジネスモデルを持てないところが問題なんじゃないかと思う。「ウェブを立ち上げたけど、ユーザーが一人も来ない」なんてクレームをメーカーに言ったりする会社もあるぐらいだし。そもそも、誰に対してどんなサービスを提供したいのかというビジネスモデルがない。
山:其々のシステムほとんど同じではあるんだけど、それぞれ特徴があって。
「在庫管理が得意です」とか、「RIP化されたイメージを表示しますので仕上がりと同じ状態がみられます」とか。
その特徴が必要ないお客さんが、そのシステムを選んじゃうと、オーバースペックになって使い勝手が悪く感じるんでしょうね。
湯:なるほど。それもあるかもしれないですね。
それにしても、それぞれのシステムの強みを理解してる人はあまりいないんじゃないかな。
私、3年も前ですが本当に導入しようかと思ったことがあって、販売会社さんにいろいろ問合せしたんですよ。展示会行って、パソコンいじらせてもらっていろいろ質問したりして。もちろん、錚々たる機会メーカーさんが販売会社となっていて、説明してくれるんですが…誰一人として正確に説明できる人がいない。
その後、御訪問いただいたりもする訳ですが、ミーティングの人数ばかりが増えていってエライ人もでてきて…でも結局だれも説明できる人が居ない、みたいな。何かって言うとすぐ「カスタマイズになります」。自社開発じゃないものを売るって難しいですよね。
宮:そうそう。それがパッケージの難しさ。★オフレコ★百万で購入したシステムをカスタマイズしていったら、結果的に20倍の★オフレコ★千万かかっちゃいましたなんて話はザラ。
だから、僕がコンサルに入る時はスクラッチで作っちゃうことの方が圧倒的に多い。
組版に強い開発会社と、顧客管理に強い開発会社と、インターフェースに強い開発会社を組み合わせたりして。
湯:え・・・。開発会社が複数の場合は、要件定義は誰がするんですか?
宮:僕は開発はやらないけど、つなぎの要件定義はやる。
湯:げーーーっ。すごい過酷な仕事。責任重大すぎる。考えただけでもプレッシャー。
宮:そういう 誰もやりたがらないところをやる。
山:かっこいい・・・。
宮:開発に携わると、はじめの「ビジネスモデル」を決めるのがすごく重要。
お客さんに任せておくと、あの機能も欲しい、この機能も欲しいで取捨選択ができなくてものすごい高いシステムになっちゃう。
「ビジネスモデル」を確定しておいて、それに沿わない要件はガンガンそぎ落としていかないと。
湯:なるほど。
ところで、ちょっと古いですがインフォトレンズの調査で、米国の印刷会社は56%がWeb To print ソフト導入済。Web to Print を経由した受注が全体の14%となっています。対して、日本では4%程度しかWeb to Printソフトの導入が進んでいないと。感覚的には、4%でも多いなって思ったんですが、ここでいうWeb to Printソフトってどこまで入るんでしょうかね。
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